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水やりはいつも深夜だけど
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水やりはいつも深夜だけど

窪美澄作の、それぞれの家族の短編集。世の中にありそうな話で、主人公たちの苦しい胸の内が共感出来て、あっという間に読んでしまいました。

過去のいじめられた経験から、嫌われないように幼稚園のお母さんたちと

付き合う主婦。

産後鬱になった妻のことで義理の両親から責められ、仕事や家庭のこともできる限り頑張ってきたのに、なんでできないところだけ見るんだよと妻に不満をぶちまける夫。

自分の妹が障害をもっていて、子供の時に自分を追いかけて列車にひかれて亡くなったことから、自分の産んだ子供も妹と同じではないかと不安を感じている主婦。

同僚に呼ばれた合コンで知り合った女性に、ときめきを感じる家庭持ちのサラリーマン。女性の影に気づいていたその妻。

父親の再婚相手の女性とその子供と暮らすことになった一人娘。生みの母親に気づかれなかったやるせなさ。

父親が単身赴任でいない実家で、自分の病気のことでぐちぐち母親に文句を言う祖母と母親の間にいる少年。

彼らの、どうにもならない環境下でのやりきれない思いが見事に記されており、主人公たちの気持ちがよく伝わってきます。

最後は、その状況を少しでも解決できるような終わり方になっているところが、読み終えたときに気持ちが楽になって、ほっこりする小説です。